Counseling in Tokyo

うつ病について

カウンセリング東京:「うつ病」

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うつ病の原因

うつ病は、上で述べたように人格と心理的敏感さの両方と連結している場合と、または、生物学的影響がほとんどを占める場合があります。生物学的影響を受けているうつ病は、その人の人格をさらに病的に表し、その人格もまたうつ病を特徴付けるかもしれません。うつ病をかかる人々は自らの成長過程において、何らかの問題があったと結論付けることが多く、またそのような問題が実際に起こっていたかもしれません。しかし、これらの人々はしばしばその意味と原因を混合して考えてしまいがちです。人生において起こる大きな出来事には、そのすべてに何らかの意味があります。しかしそれらが必ずしも問題の原因ではありません。厳しい環境で子供時代を過ごした人のうちのほとんどがうつ病を発症しませんが、その両方を経験することにより、原因とその結果への影響を結びつけるのは簡単です。

このページにある情報量をはるかに超える詳細情報のほかに、数え切れない量の研究やその結果明らかになった生物学的うつ病の情報も存在します。「Genetics of depression」、「serotonin transporter in depression」, 「brain scans in depression」、「neurobiology in depression」などを検索用語としてPub Med、米国国立医学図書館のウェブサイトや他のサーチエンジンなどで検索すると、うつ病に関する生物学的調査結果などが調べられます。

研究でよくみられている所見の一つとして、ストレスなどで視床下部下垂体副腎軸の機能高進によって交感神経の働きが刺激され、普通は免疫反応でみられているサイトカインという物質が過剰に出回り、抑うつ気分を引き起こされる現象です。もう一つの所見として、神経栄養因子という神経の成長及び保存を促進する物質が欠乏していることでうつ病になりやすい状態になります。抗うつ剤の作用で、視床下部下垂体副腎軸の異常を正常化し、神経栄養因子の生産を促すことが分かりました。 また、ある研究によると、ある種類の遺伝子(短い型のセロトニン輸送体遺伝子)を持つ人は、それを持たない人に比べ、外からのストレスの影響によりうつ病を発症しやすいことが示唆されています。この結果が正しければ環境と遺伝の関係を表しているが、健康な人の場合これらのストレスのみでうつ症状の現れることは殆どありません。最後に、生物分子学研究では、うつ病における「分子サイン」もあるように結果が出始めているところです。

うつ病の種類

以下の説明は薬物使用外のみを考慮の範囲としています。コカインやエクシタシー、LSD、また他の薬物による気分障害は、下に示されているうつ病の特徴と違い、また、このサイトの許容範囲を超越しています。

気分変調症

上で述べたように、気分変調症は慢性的な軽度のうつです。生涯のうちで6%の確率で発病します。気分変調症を抱える人々は、自分のうつ症状が悪化したり、何らかの出来事により自身の気分やエネルギーのレベルが自己能力に多大に影響していることを目の当たりにしてから初めて治療に訪れることが多々あります。上記で説明したうつ病に関する内容は、気分変調症にも反映されます。

非定型うつ病

非定型うつ病の患者さんは、食欲の増加、睡眠過多、楽しい経験・刺激に対して喜べること、また、拒絶されることに対して悪く反応するのが特徴です。実は、うつ病患者として、非定型の様な症状をもつ患者は少なくありません。問題は、患者及びセラピストが、当該症状を「ストレス」や「人格障害と勘違いをして、薬物療法を受けずに長年精神療法のみを受けて続けてしまいます。また、定型・非定型うつ病患者は抑うつ気分より「いらいら気分」が強く、素人からみると「怒りんぼう」だと決め付けますが、経験のある精神科医なら「うつ病」との診断をつけることは可能です。

反復性短期うつ病

反復性短期うつ病(RBD) は、一年間続けて月一回の短い期間(14日間未満、頻繁に2-3日間)のうつ病症状であり、女性の場合、月経と関係はありません。期間中、症状が重度であり、不安、いらいら、睡眠過多などがよく伴います。発生率や罹患率は明確に研究されていないものの、精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-IV)研究の結果、人口の2%の生涯罹患率が推計されております。

カウンセリング東京で診ている患者さんでは、短時間のうつ症状を持ている方は少なくなく、ひどい症状がでない限り受診もせず、人格の欠点や置かれている状況が原因ではないかと結論している方もすくなくありません。しかし、いろいろ状況下で発症していることから考えると、脳の正常循環機能(脳がコントロールする睡眠・覚醒循環、内分泌循環、体温循環など)と同じように、RBDの脳内病状も循環のように繰り返されている可能性が考えられます。

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